大国は下流なり
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第三十三回
★大海になろう
本当に人に信頼されて、社会や会社で上に立つ人というのは、常に人の話に耳を傾け、学ぶ心を忘れず、驚くほど腰が低く謙虚な方が多いものです。大勢の中にいても偉ぶらないし、受け入れも深いので、自然にその人の周りに人が集まるようになります。まさに多くの川が流れ込む大海のような人、つまり徳のある人です。私達も年を重ねる事で身に付く目に見えない大切な財産として、そんな大海のような徳をそなえる事が出来たら素敵ですね。そうすれば、人生の最晩年まで豊かで楽しい生涯現役の日々を過ごす事が出来るでしょう。
★家庭でも謙虚に
さらに身近な例として親子の問題を考えてみましょう。やはり親はいくつになっても子供に対して上から目線で話をしやすいものです。子供はもう十分大人になって社会で一人前に働き、家庭を持っているのに、親の目から見ると、なんだか頼り無く見えてしまうので、優しく話せば良いと思っていても、自分の子供に対してはつい言葉が強くなったりしがちですね。ですがそんな時、この老子の大海を思い出しましょう。そしてもう十分成長されたあなたの息子さんや娘さんを尊重して、一人前の大人として対等に言葉をかけてみる事です。きっと、自分を尊重してくれる、ご両親のそんな対応に、娘さんや息子さんも嬉しく思う事でしょう。そして成長した子供から学ぶ事もたくさんあるはずですし、いつの間にか子供も成長したものだと、頼もしく思えるのではないでしょうか。成長した子供との、新しい親子関係は、生涯現役の人生を、さらに楽しくしてくれるはずです。
さあ、夏に向けて謙虚に広い大海の徳、実践です!
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